先日、ミュンヘンでは強い風が吹いた。木立を通り抜ける風は轟々と恐ろしい音を出し、物が吹き飛んで人にぶつかったのか、倒れた交通標識で人が怪我をしたのか、一日中消防車や救急車が街中を走り回った騒々しい一日でもあった。
その翌日は一転して雪。かと思えば雲が途切れ青空となり、照らす太陽が眩しい。しかし、彼方から灰色の雲がものすごい速度で近づいてきて、瞬く間に雹を地面に撒き散らす。
昨日から気温がグッと下がり、今日は晴天だったけど、気温は下がったままだった。イースター休暇の金曜日である今日はカールフライタークといってマスを食べる風習があり、祝日だった。青空に誘われて、息子二人を連れてニュンフェンブルク公園へ散歩に出かけた。
公園の中に鬱蒼とした林があるが、驚いたことに何本かの木が先日の強風で根こそぎ倒されていた。風の威力に驚嘆すると同時に、やはり先日の強風はただ事ではなかったのだと実感する。倒された木々の梢にヤドリギが多く寄生しており、せっかくだからと、実のたわわな一株をむしりとって持ち帰ってきた。ヤドリギの幹は意外に柔らかく、力を込めると簡単にへし折ることが出来る。
窓際に吊るしておくと、帰ってきてそれを見た妻が、クリスマスじゃないんだから、と笑った。