2010年10月30日土曜日

Autum in Schwabing













ミュンヘンの旧市街北部にシュバービングという地域がある。
ここは、開発の際に、ミュンヘンの都市構造に強い影響を与えたTheodor Fischerという都市計画家兼建築家が計画したグランドデザインを随所に見ることが出来て非常に興味深い。
グランドデザインとしては、街路建築の密度、高さが重視されている。また、シュバービングの旧市街方向にあるマックスフォアシュタットの整然としたグリッド構造と対比させて、意図的に湾曲させた街路がいたるところにあり、街路のむこうに弧を描いて小さくなっていくファサードが美しい。
今まで気付かなかったことだが、シュバービングの中心部はクアフュルステン広場で、ここを中心として放射状に主要幹線が広がり、幹線道路沿いにはいわゆるローハウス、日本で言うところの長屋形式(?)の建物が建ち、幹線から外れた街路には戸建て建物が建っている。このように中心部から外れた地域が広場を中心として周辺部分へグラデーション状に変化していく構造を持っている。この手法は、日本の都市構造へも適用可能なのではないだろうか。
ちょっと残念なのは、いつも思うことだが、テオドア・フィッシャーは自動車時代の到来を重視していなかったこと。幹線道路の中心に計画された広場は当然交通量が多く、彼の計画した広場の多くは、現在車のための道路となってしまっている。また、カミロジッテの思想に深く影響されている彼の広場は不整形であり、そのこともあって、自動車交通には不適格であり、妙に雑然とした印象を与えてしまう。

ところで、そんなシュバービングを息子と楽しむために、二週間ほど前に散歩してきた。この地域は街路も多く、日本ではあまりお目にかからない木が多くたっている。そこで新しく買った植物図鑑を片手に、木の種類を確認しながら進む。リンデや、カスタニエン、そしてアカシアの木が色付き、黄色くそまった街路は非常に美しい。壁に伝うつる植物もそれに色を添える。
僕はアカシアの木が好きだ。息子はプラタナスが好き。
ローマンシュトラセという街路では、ローマ人の彫刻などが街路をかざり、息子にかつて繁栄したローマについてしばし語って聞かせる。

今日も素晴らしい天気。午後からニュンフェンブルクの森を、息子と散歩してこようかと思う。美しい葉や木の実を収穫してこよう。

3 件のコメント:

  1. こんにちは! 昨日は建築のお話を伺うことができて楽しかったです。
    こちらのブログも読み応えがあるので、またちょくちょくおじゃましようと思います。
    うちのダンナ、独身時代に、上記ローマンシュトラッセにすんでいたことがあるんですよー。

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  3. C.kamiyaさん、今日、コメントを発見しました。すいません。
    このブログはコメントがとてもみずらいんですよねぇ。
    こちらは一息つきそうなので、またスタムティッシュ、お邪魔させていただこうかと思っています。よろしくお願いします。

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