補助輪をつけたことによって、俄然自転車にのる意欲の湧いてきた息子。昨日今日と、そんな息子と、初めて公道を走る。彼の人生史における、月面着陸にも等しい偉大なる第一歩。パパは少々大げさなのである。
自転車を買うときには気づかなかったことだが、後ろの車軸は、補助輪を取り付けるべく、少々長めに設計しておくべきらしい。が、いつものごとくイマジナリウム商品はデザインはかわいらしいのだが、実用性に欠けるのである。(散々、安物の景品(といっても5ユーロくらい何故か払わされるのだが)を掴まされて、妻は二度とイマジナリウム製品は買わないとご立腹なのである。)この車軸が、補助輪を取り付けるのには十分な長さがない!!!したがって、補助輪のモーメントに対する抵抗力のある金具を取り付けることが出来ないので、肝心なところで片側だけ補助輪の軸が回転してしまい、バランスをとることができなくなってしまう。
そんなこんなで土曜日は、バウハウスに補助輪をしっかり固定できるように、長めの車軸を買いに行って来た。それが、息子の初めての公道への乗り出しの理由である。
息子は初めて味わう速度がうれしいらしく、うははは、と笑う。後ろでパパは、車が来るたびに、息子がよそ見をしてバランスを失うたびに、そして駐車している車に突進するたびに、気が気ではないのである。
結局、バウハウスのあんちゃんに、はぁ、ここに自転車の軸なんて売ってるわけないじゃん、自転車屋にウィキナヨ、といわれ、しょんぼり家路についた。ママも、私もそうじゃないかと思ったんだけど、どうせ言っても聞いてくれないから言わなかったという。しかし、息子は初めての旅に満足げであった。
日曜日、ママがお出かけしている間に、スターウォーズエピソード5、帝国の逆襲を鑑賞して、惑星ホスと帝国軍と連邦軍の違い、ATATウォーカーについて説明していると、突然のママの帰宅。当然のごとく怒られると、自分は見たくなかったのに、パパが勝手につけた、という。嘘をつけ、このスターウォーズ面白いね、って言ってたじゃないか。しかもその後、スターウォーズの本にかじりついてルークがホスで凍死するところだったね、とか延々と言っている。
その後、待望の、ウェストパークへ自転車で行く。わずか一日たっただけにも拘わらず、もう自転車に乗るのがうまくなっている。
現在、第二子の名前を考えるために幾つかの詩集を読んで語感を養っているが、そのうちの一冊、谷川俊一郎氏の空の青さを見つめていると、を公園で朗読。僕の一番好きな詩、ネロと、宿題を読んで聞かせる。
ネロについては、あんまりピンときていないように見える。
宿題という詩はこんな詩。
目をつぶっていると神様が見えた
うす目をあいたら神様は見えなくなった
はっきりと目をあいて
神様は見えるか見えないか
それが宿題
さて、この宿題を解いてみる。
目をつぶって何が見える??
なんにも見えない。
パパには神様が見えるぞ。
じゃぁ目を開けて。木立の間に広がる青空。もう一度やってみる。
なんか見えるか?
ウルトラマンが見える!コスモスと、マックスと、ゼロと、、、それは神様ではなくてヒーローなのである。
目を開けて。何も見えないだろ!でも、目を開けて、それでも見えるようにするのが宿題だって、とそこまでいって、それはちょっと、目に見えてしまったら危ない人なのではと考えてしまう。
二十億光年の孤独も読んであげる。火星人の友達が地球に仲間を欲しがっているんだよ。
火星人は、或いはネリリし キルルし ハララしているか という節で、息子とともに大爆笑。二十億光年の孤独に僕は思わずくしゃみをした という節でも爆笑。4歳児にも何かを伝えることが出来る谷川俊太郎の詩の素晴らしさは、こんなところにあるんだろうと納得した。
帰り、先頭を走るママは、遠く30メートル先を息子のスピードにあわせてゆっくり走っている。
スピードを上げる息子は、そんなママに大声で叫ぶ。
ママ、もっと早く走って!
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