2013年8月30日金曜日

育児休暇の前半が過ぎた

育児休暇をとってから約10にち、前半部が過ぎた。やはり子供たちと過ごす日々は充実しており、また、その成長振りを肌で感じることができるので、自分の人生価値が増大したことを改めて実感する。

ところで、今週は振り返ってみると育児とは別のところで色々あった。

まず、火曜日。工学院大学からサバティカルでいらっしゃっていた遠藤和義教授が、日本へお帰りになるので、フェアウェルパーティーに参加してきた。
思えば、今年、まだ冬の寒い頃、先生をお誘いしてシュラハトホーフのレストランへ食事へいき、その後、育児休暇を過ごした日本からミュンヘンへ戻ってきた後、先生がミュンヘンでの住まいとされていたOskar von Miller Forumを見学させていただいた。
http://www.oskarvonmillerforum.de/
その折には懇切丁寧にこの建物を説明していただき、その後夕食にでかけたAltschwabingも非常に気に入っていただけた。その後、ビアガーデンで、奥様もご一緒に会食し、二回目のビアガーデンでは私たちの家族も参加して夏のビアガーデンを楽しむことができた。
先生には、このブログの感想などもいただいた。ミュンヘンを気に入っていただけ、今後もミュンヘンへ年に一度は来たいとおっしゃられていたので、また今後もお会いすることができる楽しみが増えた。
この出会いに感謝したい。

また、水曜日には京都工芸繊維大学時代の研究室の先輩で、現在は大阪工業大学で空間デザイン学科の学科長をされている宮岸幸正教授が福原教授、朽木准教授とともに学生15名を連れてミュンヘン建築旅行へいらっしゃったので、案内をしてきた。学生への説明を通して、そして先生たちとの歩きながらの会話を通して新たな発見や知識を得る事ができ、とても実りのある案内となった。
今回は、マリエンプラッツからカールスプラッツ、フラウエンキルヒェ、フュンフフェフェ、ルートビッヒシュトラッセ、オスカーフォンミラーフォーラム、アルテピナコテークなどの美術館というルートの後、ミュンヘン工科大学を見学したいという宮岸先生からの要請を受け、トーマス・ボク教授の研究室及び作業ラボを見学させていただいた。
ボク先生の研究内容は、かつての建設ロボットの開発、研究から室内のオートメイション化へと移行しており、その可能性についても強く感じた。昨年来ていたオスミップの学生たちが全員ボク先生のゼミに参加せず揉めたという話を聞いたが、なぜ参加しないのか、ちょっと不思議に思った。
宮岸先生も非常に興味を喚起されたようで、是非、大学に招待して講演をしていただきたいという提案をされていた。その後、学生とビールを飲んだが、プロダクトデザインコースへ進みたいといっていた学生たちは目を輝かせて、その可能性について言及していた。
また、ボク先生は、建設オートメーション、ロボティクスに重点を置いた修士コースを開設しているので、興味がある方は参加されてはどうだろうか。

Masterstudiengang Advanced Construction and Building Technology - Automation, Robotics, Services (M.Sc.)
http://www.ar.tum.de/studiengaenge/master-of-science/msc-advanced-construction-and-building-technology/

その後、フォスター改修・増築のレンバッハハウスのエントランス部分を見学し、ケーニヒスプラッツ、幾つかのパサージュを通り、ホフブロイハウスでビールを飲んだ。
美術館の内部を学生たちと一緒に見学することができなかったのは残念だったが、二・三回生の学生ということで目が輝いていた。ヨーロッパ人の子供や、容姿端麗な外国人を見ると建築を見るよりも盛り上がっていたことには少々苦笑したが、初めて経験するヨーロッパ建築に対する新鮮さ、物事に真摯に向き合う感受性、将来に対する不安と期待など、彼らを話しているとこちらが活力をもらうこととなり、そういった意味でも面白かった。

木曜日は、プランエッグ周辺にピクニックへ行く。魚を見たり、枝を削ったり。沿道にはブラックベリー、ホウセンカが咲き乱れ、ママはジャムのためにブラックベリーを採集し、息子と自分はホウセンカの実をはじけさせて楽しんだ。プランエッグで食べたアイスは絶品だった。

 
金曜日には、ニッツァへの旅行に備えて息子の遊泳用のフィンなどの買い物に家族で出かけた。ブランドホルスト美術館前にあるアイスクリーム屋でアイスをどうしても食べたいということでそこまで出向き、そのついでに息子とユルゲン・マイヤーの仮設建造物とその中に展示物を見学してきた。仮面ライダーの真似事をし、ギャラリー見学なんていやだとダダをこねる息子を騙し騙しギャラリーへと連れて行ったのだが、非常に気に入ってしまったようだ。仮設足場を組んでつくってある建築物は、登ることができ、その途中階にはホップのつたが育つ休憩スペースがある。そこから更に屋上まで登るのだが、足がすくむ。息子も最初は怖がっていたが、ママを連れて再度自分から屋上へ案内していた。展示物は、実際に空間を体験できる小さなキューブが3つほど置かれていて、息子はこれをいたく気に入り、自分の家と名づけ、キャッキャいって走り回る。ここはギャラリーという場所なので子供の遊び場とはちがうのだから、大声をあげたり、走り回るのはやめるように注意すると、困ったような顔をしていた。実際、子供がとても気に入りそうな展示で、もっとわいわいできるような環境においてあればよかったのにな、と思った。
家の近くにくると、先をゆく息子が興奮した様子で、死んだ人がいる!と戻ってくる。あわてて駆けつけると、エンジンをかけたままの車の中で、ハンドルの上部に手をかけたままの男性が、周囲からの呼びかけにも反応せず、座ったままだ。人が集まりつつあったので、警察には通報してあるだろうとふみ、急いでその場を離れた。なぜなら、いつ痙攣などによりアクセルを踏むかもしれず、車の周辺にいることは危険であると判断したからだ。10分ほど経過してもなかなか警察が到着せず、来たとおもったら、窓をあけろ、と大声で車をたたいたり揺すったり。それでも反応がないので結局窓を金槌で割ってドアを開け、エンジンを停止させ、しばらくすると救急車やら、消防車などが到着し、物々しい雰囲気となった。結局、男性が動いているのは確認できなかったので、既に心臓麻痺などで亡くなっていたのかも知れない。
車の中で動かなくなった男性を見てしまった息子は、あの人、死んでいた、といって涙ぐむ。幼い心にはかなりの衝撃だったのだろう。
人々も、意識のない人が運転席にすわり、エンジンをかけたままの車の周りを、平気で取り囲んでいたので、見ていてヒヤヒヤした。二次災害というのは、突然やってくるだろうし、起こってしまったら阿鼻叫喚の地獄絵が瞬時に出現するだろう。息子が車の横にいたときに何事も起こらなかったことを神に感謝するしかない。そして、あの男性が、意識をとりもどしてくれたことを、祈っている。

2013年8月4日日曜日

IBA Hamburg 05 ハンブルグ;気候変動と都市-Jenfelder Au

ミュンヘン近郊の湖に家族で泳ぎにいってきた。子供たちの喜ぶ顔が見たいので、水果(西瓜)を買いに行った。そこで長男が迷子になった。非常にあせり、初めてドイツ警察のお世話になってしまった。
電話をかけると、あーー、○○?と微妙に間違っている息子の名前を、電話に出た人が言ったので、見つかった!と非常に安心した。息子は店の前で大泣きし、店の人が警察に電話していたのだった。パパのせいだよ、と繰り返し非難されたが、とりあえず何事もなくてよかった。


ところで、本題のIBAハンブルグについて。
ハンブルグのJenfelder Auの、旧兵舎跡地に建つ住宅群

ここでは、35ヘクタールという広大な地域に、770もの住宅(内、630が新築)が計画されている。既存の兵舎建物も記念建造物として指定され保存されるようであるが、ここでの目玉は、水に関連したエネルギーの創出方法ではないだろうか。

第一に、排水が三種類に分類される。雨水、トイレからの排水、その他の排水。これらはそれぞれ分類して収集される。特に、トイレからの排水は、各戸に設置されたバキューム式トイレから、バイオガス施設に貯蔵される。発生したバイオガスによって地域ごとに熱、電気が生成される。

プロジェクト紹介(独文)