今は屋根工事と内壁工事が進行中。そのあと、窓が設置され、家具工事や仕上げ床の工事に移っていく。
写真は、屋上のテラス。ペントハウスの上にあり、建物のてっぺんにある。組み立てられたサッシの骨組みはペントハウスからの階段出口であり、天蓋を横にスライドしてこのテラスに出ることができる。
遠景にフラウエン教会の双塔。その手前に広がる住宅群は全て、ベルリンのポツダム広場の都市計画をしたヒルマー•ザットラー建築事務所の設計したものだ。
この方角から左方に10度視線を旋回させると、ルートビッヒⅠ世の墓があるボニファツ教会の修道院の庭が広がっている。ルートビッヒⅠ世は、狂王ルートビッヒⅡ世の父である。ルートビッヒⅡ世は、ディズニーランドの白雪姫の城のモデルとなったノイシュワンシュタイン城をつくり、フランツ•ヨーゼフ一世の皇后であったエリザベートへの恋慕でも有名な王であり、財政難でゆれるビッテルスバッハ家の懐事情を鑑みず築城を続け、最後は謎の死を遂げた。しかし、狂王とまで言われた王の遺産は、現在、バイエルン州の観光の目玉となっている。歴史とは皮肉なものだ。
さらに視線を左方に旋回させるとケーニヒス広場があり、その奥はナチスの本部があった場所で、自分のブログでも紹介しているが、今年開館したナチス資料館がある。ケーニヒス広場に面した古代収集館では現在、エトルリア民族の装飾文化という特別展が開かれており、先日息子たちを引き連れてガイドツアーに参加してきた。ツアーの最後にブローチを、当時の技術を使って製作し満足気な長男君であった。
東方に旧市街、マックスフォアシュタットを眺めるこの屋上テラスの足下には、左様にミュンヘンの歴史が広がっている。絶景かな。
今は、この建物の西側に位置する歴史的保存建物の内部改修の平面計画と、このペントハウスのある建物と前述の保存建物の間に建つ新築建物の基本設計を担当している。基本設計の前段階ですでにおおまかな造形は同僚が担当し終了しているので少々退屈だが、仕方ないね。基本設計が終了したら申請図面の作成にとりかかることになる。
0 件のコメント:
コメントを投稿