2011年4月24日日曜日

Erlöserkirche

復活祭の真っ只中のミュンヘン。晴天が続く中、ほぼ毎日ビアガルテンとか、中庭での誕生パーティーを楽しんだ。
そんな中、休日の合間を縫って、オースターエッグを飾るべく、オースターの枝を買いに息子とミュンヒナーフライハイトへ赴く。ついでにテオドア・フィッシャーのErlöserkircheを訪問してきた。これはなかなか見ごたえがあったのでちょっとコメントを。

この教会は、フィッシャーのデザインで、1900年から建設が始まっている。中に入ると、カラフルに描かれた模様に驚く。中でも基調になっているダークグリーンは絶妙な色で、天井、そして信者用の椅子、アーチ部分に使われている。最初はこの模様に圧倒されてしまった。しばらくして目が慣れてくると、意外に内部空間は、壁面の装飾が描かれたものであって、彫刻などによるものではないことがわかってくる。空間は、主にアーチと平面な壁、そして描かれた装飾でなりたっている。
壁画には、植物や動物のモチーフが沢山使われていて、第一次戦争以降、消えうせてしまったように見えるそれら、人間以外の動植物のパワー、それはもしかしたら、よくわからないけど、アーツ&クラフト運動にまでさかのぼることが出来るのかもしれない、で満ち溢れている。

ところで、最近、妙にユーゲントシュティルやアーツ&クラフト運動に興味があって、それは藤森先生の來ミュンヘン以来の個人的なムーブメントでもあるのだけれど、友人たちも巻き込んでこれから議論をしていきたいと思っているテーマでもある。

そんな、ユーゲントシュティルの雰囲気も、ほのかに漂わせている空間だった。この空間は、ベルラーヘの建築をちょっと連想させて、というのは、装飾によって歪められている建築の本質を表現するために、壁は平面的でなければならない、と語った点においてなのだけれど、この教会では壁面は平面だけれど、装飾で埋め尽くされている。このような、ユーゲントシュティルから近代建築の萌芽を感じさせるメソッドが共存している点が、とても面白く思えた。

息子は、教会の中に入るや否や、急に小声になり、すごいねぇ、きれいだねぇ、と繰り返し、空間の迫力に圧倒されているようだった。まじめに建築鑑賞するその態度に、ローマやフィレンツェに一緒に旅して、建築談義をするという僕の夢も、遠い将来の話ではないな、などとほくそ笑んでいたりするのだった。まだ、3歳なんだけどね。
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