ミュンヘン北東に位置する場所に、新たな集合住宅地の建設が急ピッチで進んでいることは、辻仁成さんのHP、デザインストーリーズで紹介させていただいたが、現在、ボクが取り組んでいるメインのプロジェクトは、その集合住宅地、プリンツ•オイゲン•パークのメインをなす建物だ。
この建物は市民センターで、この地域でも主要な役割を果たす建物である。
現在のメインテーマは、一階プランの変更、二階ホールの内観検討、そしてコスト計算である。
同時に、アルプス山麓に建つホテルの実施設計も進んでいる。一階にはオンセンエリアという、クア施設がある。しかし、敷地規模の変更などでプロジェクトはなかなか先へ進まない。せっかくほぼ終了したと思われていた地下駐車場の設計も、敷地規模の変更によって再度、設計に手を加えなければいけなそうな予感である。
今年のミュンヘンの夏は、暑かったり、寒かったり、ヘンな天候である。週末になると決まって曇天。湖に泳ぎに行きたい。
旅について特集したHPを作成中です。 ミュンヘン周辺を中心に、訪問した国、街の基本情報から名所などについて書いています。是非、旅の参考にしてください! 下のリンク 旅色眼鏡からどうぞ! ↓
2019年8月10日土曜日
2019年6月14日金曜日
ポツダム都市計画 2
ポツダムの都市計画、中間発表も無事に終わった。
住棟は結局、8x8m、もしくは幅6,5m幅、奥行き12mのローハウス形式、加えて13mx13mの高層棟があり、それらが混在してコロニーを形成する案となった。
コロニーの中に消防車が入り込む隙間がないことが気になるが、とりあえずは興味を引くだろう。
久しぶりのコンペで、プレゼンの準備が大変。すぐ慣れると思うけれど。
2019年6月2日日曜日
ポツダム都市計画 1
ベルリンとポツダムのほぼ中間地点に、かつてナチスによって田園都市として計画されたジードルングがあり、その再開発計画のコンペに、現在携わっている。
先日、所長から延々と周辺の状況や、幾つかのアイデアの説明を受け、とりあえず二つのアイデアに基づいて、建物の配置図を描くことになった。
既存の建物は戸建を主体として敷地の中に、幾つかの街路に沿って分散配置されている。
そして、コンペの大賞となっている敷地の隣には大規模な集合住宅群を主体として新しい街が建設される予定になっている。
一つのテーマとしては、この隣り合った大規模新市街とかつての田園都市をいかに繋ぎ合わせるような新しい提案をできるか。
そしてもう一つのテーマは、敷地周辺にある自然といかに接続していくか。
その二つの大きなテーマに、交通やら、日照やら、様々な要素が検討され重ね合わされて行く。
とりあえず、12メートル幅の住棟を所長のコンセプトに沿って配置してはみた。月曜日には、どちらの案がいいのか、意見を求められるだろう。さて、どうしたものか。
先日、所長から延々と周辺の状況や、幾つかのアイデアの説明を受け、とりあえず二つのアイデアに基づいて、建物の配置図を描くことになった。
既存の建物は戸建を主体として敷地の中に、幾つかの街路に沿って分散配置されている。
そして、コンペの大賞となっている敷地の隣には大規模な集合住宅群を主体として新しい街が建設される予定になっている。
一つのテーマとしては、この隣り合った大規模新市街とかつての田園都市をいかに繋ぎ合わせるような新しい提案をできるか。
そしてもう一つのテーマは、敷地周辺にある自然といかに接続していくか。
その二つの大きなテーマに、交通やら、日照やら、様々な要素が検討され重ね合わされて行く。
とりあえず、12メートル幅の住棟を所長のコンセプトに沿って配置してはみた。月曜日には、どちらの案がいいのか、意見を求められるだろう。さて、どうしたものか。
2019年1月6日日曜日
Speyer スペイヤー 王達の墓
昨年の年末は、ハイデルベルクとシュペイヤーという小さな街の近郊に住む知人宅に宿泊してきた。沢山話をして、沢山食べた年末だった。
シュペイヤーという街の近郊には、妻の友人とその夫が住んでいる。かつて長男君がまだバギーで寝るようなベイビーだったころに、その二人が結婚し、結婚式に招待された。当時はシュペイヤーという街のことなど知らず、また、そのドームの歴史的な重要性など、露もわからなかった。二人はシュペイヤーのメイン通りに面する教会で結婚式を挙げた。
「二人は永遠の愛を誓いますか?」
と祭壇で祭祀が二人に問いかける。すると、突然、バギーで寝ていたはずの息子が、大きな声で明瞭に
「ナイン!(いいえ)」
と声を挙げた。びっくりしてバギーを覗き込むと、彼は熟睡中である。そもそも、当時の彼が、宣誓の言葉など理解していたとも思えない。ただの偶然だったとはいえ、このことは、僕達家族の語り草になっている。
その友人夫婦にも娘が産まれ、我が家の次男と一歳違い。彼らと、シュペイヤーのメイン通りに並ぶクリスマスマーケット沿い(シュペイヤーでは、クリスマスが過ぎても年末までマーケットが開かれている)をブラブラ歩いていると、友人が、
「この教会で結婚式を挙げたんだよ!」
と言った。ああ、ここだったんだなぁ、と当時の記憶が鮮明に思い出されてきた。
ところで、シュペイヤーのドームである。戦争で破壊されて再建されたと勝手に思い込んでいたが、さにあらず。また、隣接する教会宝物博物館でも詳しく解説されているが、増築を繰り返しての現在の威容である。とにかくでかい。これが11世紀ごろから建築され始めていたんだから、そのスケールの大きさが人々に与えた印象も強烈なものがあっただろう。
ここで、僕は二人の歴史的人物の墓を見た。
一人目は、ハインリッヒ4世。カノッサでの屈辱を味わった、あの皇帝である。ザーリア朝では叙任権闘争が激しく争われたそうだが、グレゴリウス7世との破門の応酬、そしてカノッサで3日間も裸足で許しを願った(本当かよ?)その屈辱を思った。一度は教皇の前にひざまずいた王権は、その後、次第に伸張し、やがて強大な王政へと成長する。ハインリッヒ4世を思うとき、時のおおきなうねりのようなものを感じえざるを得ない。
二人目はハプスブルグのルドルフ一世。皇帝墓所の入口に、彼の立像が立っている。王はハプスブルグ特有の長い鼻と憂鬱そうに眉をしかめた面持ちで、墓所前のホールの虚空を眺めている。
長身痩躯とその面持ちとは対照的に、非常に戦闘能力に優れ、機転の利く人物であったらしい。突然転がり込んできた皇帝という座を活用し、宿敵オットカーを打ち破り、ボヘミアの地を手に入れた。これを契機として神聖ローマ帝国皇帝を多数排出したハプスブルグ家の地盤がオーストリアの地になったという。
皇帝墓所は、砂岩の茶褐色が美しい空間でもある。柱の配列、柱を繋ぐアーチ、アーチの二色の砂岩の交互の組み合わせが、ここちよいリズムを与えている。巨大建造物の地下にあることを忘れさせるような高い天井も、この空間を素晴らしいものにしている要素の一つだろう。
そういえば、皇帝のReichsapfel、宝珠の本物もドーム宝物館で見た。Apfelはドイツ語ではリンゴ。つまり直訳すると帝国のリンゴ。球形は地球を表すといわれているようだけど、僕的にはリンゴのほうが面白い。イブが食べた知恵の実を連想させるし、なんと言っても、仮面ライダーガイムが手に入れた黄金のリンゴを彷彿とさせるので、息子君たちにも、そのほうが断然受けがいいだろうなって思う。Reichsapfelはハインリッヒ2世が史実では最初に所有していた、とどこかに書いてあった記憶がある。彼の墓所があるバンベルクを訪れたときには、そのことに気がつかなかった。また今度、バンベルクに行って確認しなければなるまい。。。。
シュペイヤーという街の近郊には、妻の友人とその夫が住んでいる。かつて長男君がまだバギーで寝るようなベイビーだったころに、その二人が結婚し、結婚式に招待された。当時はシュペイヤーという街のことなど知らず、また、そのドームの歴史的な重要性など、露もわからなかった。二人はシュペイヤーのメイン通りに面する教会で結婚式を挙げた。
「二人は永遠の愛を誓いますか?」
と祭壇で祭祀が二人に問いかける。すると、突然、バギーで寝ていたはずの息子が、大きな声で明瞭に
「ナイン!(いいえ)」
と声を挙げた。びっくりしてバギーを覗き込むと、彼は熟睡中である。そもそも、当時の彼が、宣誓の言葉など理解していたとも思えない。ただの偶然だったとはいえ、このことは、僕達家族の語り草になっている。
その友人夫婦にも娘が産まれ、我が家の次男と一歳違い。彼らと、シュペイヤーのメイン通りに並ぶクリスマスマーケット沿い(シュペイヤーでは、クリスマスが過ぎても年末までマーケットが開かれている)をブラブラ歩いていると、友人が、
「この教会で結婚式を挙げたんだよ!」
と言った。ああ、ここだったんだなぁ、と当時の記憶が鮮明に思い出されてきた。
ところで、シュペイヤーのドームである。戦争で破壊されて再建されたと勝手に思い込んでいたが、さにあらず。また、隣接する教会宝物博物館でも詳しく解説されているが、増築を繰り返しての現在の威容である。とにかくでかい。これが11世紀ごろから建築され始めていたんだから、そのスケールの大きさが人々に与えた印象も強烈なものがあっただろう。
ここで、僕は二人の歴史的人物の墓を見た。
一人目は、ハインリッヒ4世。カノッサでの屈辱を味わった、あの皇帝である。ザーリア朝では叙任権闘争が激しく争われたそうだが、グレゴリウス7世との破門の応酬、そしてカノッサで3日間も裸足で許しを願った(本当かよ?)その屈辱を思った。一度は教皇の前にひざまずいた王権は、その後、次第に伸張し、やがて強大な王政へと成長する。ハインリッヒ4世を思うとき、時のおおきなうねりのようなものを感じえざるを得ない。
二人目はハプスブルグのルドルフ一世。皇帝墓所の入口に、彼の立像が立っている。王はハプスブルグ特有の長い鼻と憂鬱そうに眉をしかめた面持ちで、墓所前のホールの虚空を眺めている。
長身痩躯とその面持ちとは対照的に、非常に戦闘能力に優れ、機転の利く人物であったらしい。突然転がり込んできた皇帝という座を活用し、宿敵オットカーを打ち破り、ボヘミアの地を手に入れた。これを契機として神聖ローマ帝国皇帝を多数排出したハプスブルグ家の地盤がオーストリアの地になったという。
皇帝墓所は、砂岩の茶褐色が美しい空間でもある。柱の配列、柱を繋ぐアーチ、アーチの二色の砂岩の交互の組み合わせが、ここちよいリズムを与えている。巨大建造物の地下にあることを忘れさせるような高い天井も、この空間を素晴らしいものにしている要素の一つだろう。
そういえば、皇帝のReichsapfel、宝珠の本物もドーム宝物館で見た。Apfelはドイツ語ではリンゴ。つまり直訳すると帝国のリンゴ。球形は地球を表すといわれているようだけど、僕的にはリンゴのほうが面白い。イブが食べた知恵の実を連想させるし、なんと言っても、仮面ライダーガイムが手に入れた黄金のリンゴを彷彿とさせるので、息子君たちにも、そのほうが断然受けがいいだろうなって思う。Reichsapfelはハインリッヒ2世が史実では最初に所有していた、とどこかに書いてあった記憶がある。彼の墓所があるバンベルクを訪れたときには、そのことに気がつかなかった。また今度、バンベルクに行って確認しなければなるまい。。。。
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