雨を避けて北へ向かう。
電車で二時間ほど。ニュルンベルクへ。
以下、ニュルンベルクの基本情報。
ペグニッツ川を挟み、今なお、都市壁を有する。
11世紀初頭、バンベルクの司教区設置とともにその歴史が始まる。
北に皇帝の居城、ペグニッツを挟んで北側のセーバルド教会を中心とするゼーバルド地区と、南側のロレンツォ教会を中心とするロレンツォ地区に分かれる。
神聖ローマ帝国の都市として繁栄を極めたが、この街の運命を決定づけたのは、ナチスによる第三帝国都市としての役割であり、そのために第二次世界大戦では街の大半を空襲で失っている。
名物はなんといっても、レープクーヘン。香辛料の効いた独特の味をしている。
一般的な見所は観光解説書を見ていただくとして、といっても、まぁ、それからそんなに違うわけでもないけれど、個人的なお勧めは以下。
1.今回、長年の念願がかなって見学することのできた、フォルカー・シュタブ設計による新美術館(ノイエス・ムゼウム)。
2.ペグニッツ川沿い散策、特にパリでいうところのシテ島に相当(?)するトレーデル島へかかるヘンカー橋、カールス橋の景観。そして、最西端にあるケッテン橋の景観。
3.北側城郭と、その南側に位置し、デュラー邸、都市門などのあるティアゲルトナー広場周辺と、都市壁上の公園。
4.ケッテン橋から北に伸びるハーフティンバーのローハウスが軒を連ねるヴァイスゲルバー通りの景観。
5.ケッテン橋の南に位置する、ミュンヘンの誇る建築家、シュタイデルの設計による住宅群。
6.ナチス党大会の開かれたゲレンデ。
ニュルンベルク、前回は、まだ4歳になる直前の息子を連れてやってきた。色々歩き回り、歩けないとぐずる息子を怒ったっけなぁ。疲れきった息子は、肩車をしていたら寝てしまった。当時の写真を見ても、まだ本当に幼い。つくづく自分の馬鹿さに気が滅入る。。
ところで今回は、1.5に挙げられている建築についてブログにまとめていく。
ノイエス・ムゼウム、フォルカー・シュターブ
http://www.nmn.de/
ただ、美術館のキュレーターがろくでもない奴らしく、大半の展示はとんでもなく退屈。唯一、面白かったのは、デンマークのデザイナーユニット、Komplotの、二次元素材を加工することによって三次元製品を作り出している展示。展示の仕方も、その流れを可視化していて面白かった。というか、この展示は非常に好き。
最近の美術館は展示作品を写真撮影できるからいいなぁ。ごっつぁんです。
川沿いの眺めは本当に素晴らしく、特にケッテン橋からの眺めは、中世都市に迷い込んだような錯覚を覚えさせる。
ロレンツォ教会の天井。ゴシック。
重い。前回書いたシンケルのゴシックを思い出して欲しい。ついでに、この後アップする予定である、ポーソンのアウグスブルクにある教会の記事のときにも参照していただきたい。
ケッテン橋南方の集合住宅群、オットー・シュタイデル
オットー橋の南側地区は第二次世界大戦の空爆でことごとく破壊されてしまった。その敷地は1980年代初頭まで放置されていたが、現在はシュタイデル設計の集合住宅が建つ。彼の才能が遺憾なく発揮されており、そんなに突飛なことはしていないのだが、ちょっと異常なプロポーション、階段の取り付け、そして素材の転換。一枚目の建物の色も最高に好きだけど、これは断熱材の上に色を混ぜた漆喰を塗ってある。しかし、コンクリート打ちっぱなしの柱との面は同じ。植物の生え方とか、とってもかっこいい。いいなぁ、さりげなくて。
オットー・シュタイデルは残念ながら亡くなってしまったが、存命していれば、是非、彼の元で修行したいと思わせてくれる建築家の一人だった。
今回は、時間の関係で色々歩き回ることが出来なかったが、今まで行ったことのなかった西から南にかけての都市壁をぐるっと見てきた。
二枚目は、旧市街側から外側を見ている。この切り立った壁の前には嘗ての濠があった。現在は、緑のカーテンの裏側にあたる部分を地下鉄が走る。
ニュルンベルグぐらいの規模の都市は、大きすぎず、小さすぎずいい。街の中央を流れる川も素晴らしい。ニュルンベルグの魅力を再確認する小旅行となった。
ここには書いていないが、もちろんニュルンベルクを訪れた際には、城も見学していただきたい。
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