2013年5月4日土曜日

ロマンチック街道 Harburg, Donauwörth

マイバウムが立てられる5月の1日、バイエルンは休日。それを利用して、ロマンチック街道に、スケッチの旅をしてきた。
スケッチ、へたくそになった。。。

最初に訪れたのは、Harburg。ミュンヘンから約100キロ離れたところにある、小さな町。川、斜面に建つ住宅、そして、崖の上の城という自分にとっての魅惑お決まり三点セットが、非常にコンパクトにまとまっている。

結論から言うと、城以外にはあまり見るべきところがなく、コーヒーを飲んで、3時間ほど時間を潰せば事足りるといったところだろうか。
ただ、こんなにコンパクトなのに、天空の城のように、ズーンと聳える城を持っているというのは、街にとっては非常に贅沢な愉楽といえるのではないだろうか。嘗ては、城主の存在が頭上から降りかかってくるような圧迫しか感じなかっただろうが、城がもぬけの殻となった現在では、天空の城、なのである。


これ、かっこいいなぁ。
屋根の形が違うのがいい。

この城は、シュタウファー家により建造され、後にハプスブルク家の所有になった。しかし、城の一角を、プロテスタント教会が占める。

崖の足元にある住宅は、街路に沿って妻側が聳える外観をもち、斜面にそって這うように登る階段群は、素晴らしい景観となりえるポテンシャルを持っているように思えたが、あんまり管理されていないのが残念だった。
川の中州には三棟程住宅があり、これらは非常にかわいらしい。しかし、この素敵な生活と引き換えに洪水の心配とつねに戦わなければいけないことを思うと、察するに余りあるものがある。


これはどうでもいいことなんだけど、足元の石に注目。
京都でいうところの犬矢来。

ついでということもあり、Harburgが物足りなかったということもあり、電車で10分ほどの、かつて訪問したことのあるDonauwörthにも行ってきた。街の入り口の広場では、マイバウムの設置を祝う踊りが繰り広げられていた。

左に見えるのが城門。
マイバウムは、バイエルンでは白と青のストライプだけど、無彩色だった。


さっそく、カツテはドナウで漁業を営んでいた漁師の家であった郷土資料館を訪問する。展示内容は、まぁ、退屈だったんだけど、そこで説明してあったビーダーマイヤーの起源が面白かった。実は、この言葉、架空のビーダーマイヤーという学校教師の名前であったらしく、ミュンヘンで発行されていた新聞に連載されていたギャグマンがみたいなものだったらしい。それが転じて市民文化を表すものとなり、ひいてはウィーン文化の一時代を表す言葉になったんだそうな。
品の良さそうな初老の女性に色々教えてもらったんだけど、この街、戦争で80パーセントぐらい破壊されたらしく、現在の建物群はかなり新しいとのこと。なるほど、そういわれてみれば、都市壁内の建物には、あんまり魅力を感じない。

この街にくると、自分は必ず足を運んでしまい、日本人観光客は絶対に来ないだろうと思われるのが、この建物。かつては兵舎に使われたり、ペストハウスに使われたらしい、ほそながーい建物。左側にあるのが、かつての都市壁。奥にちょこんと見える塔が最高。現在は住宅として使われている。ここで、このパースをスケッチしていたら、住人のばあちゃんたちが、こんなとこスケッチして何が面白いのかしら、とヒソヒソ話しているのが聞こえる。昼からビールを飲んでるニイチャンにオッスと声を掛けられる。そして横を通り過ぎていく住人が、改めてそんなに面白いものなのか?と、自分がスケッチしている方向をシゲシゲと目をパチクリさせながら凝視する。

しかし、この街の素晴らしさは、この街を取り囲むプロムナードにある、と言い切ってしまおう。この素晴らしきプロムナードは南側と北側に二本あり、これも戦後の荒廃から立ち上がってきた段階で計画されたものだろう。しかし、この素晴らしさはなんなんだろう。


なぜ、ドイツ人にできて、日本人にはこれが出来ないんだ??日本の都市では、市民に開放できるような土地を、国、県、市が所有していないとでもいうのだろうか?
北側のプロムナードの終点には公園があり、子供で賑わっていた。この場所で遊ぶためだけにでも、自分の子供たちを連れて、この街へ来てもいいな、と思わせてくれた。
都市の中に、本当の意味での憩いの場を作り出すこと、建物密集度の非常に高い旧市街部分と、都市壁跡地を利用したプロムナード、そのコントラストは非常に強いが、このコンビネーションは非常にうまい。自然と共生してきた日本人ならもっとうまいことできるんじゃないか、そんな期待を込めて、新たな都市づくりに精進している人たちに頑張っていただきたい。
というか人事ではなくて、いつか、自分が今、ミュンヘンにて修練している都市建築の知識を、日本にてフル活用したいものだ。どこかにチャンスはないものか、日々虎視眈々と狙っているのである。

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