Glas und Thon 1898
美と実用性の関係。
ゼンパーは、ギリシャ時代に製作された壷を、実用的側面にのみスポットを当てて説明するが、ロースは、そこには美意識も反映されていたのではないか、と主張する。ある物が、もはや改善の余地がないほど実用的な場合、それを人々は美しいという。
彼の生きた時代では、英国人とエンジニアたちが、この種の美しさを実践しており、そして実践しうる人々である。 S.89, 91-92
Das Prinzip der Bekleidung 1898
テキスタイル/構造 ・ 建築と芸術の違い
天候から身を守るための天井こそが最初の建築部分である。また、テキスタイルこそが原初的建築的被覆であり、それを支えるために、構造が必要となる。このプロセスを経るものが建築である。
一方、これとは逆のプロセスを経るものがある。まず、壁が作られる。そして空間が発生する。そしてこの空間に適した被覆が選ばれる。これが芸術である。S. 138
マテリアルと形態
空間が惹起する感情は様々だが、それを呼び起こすものはマテリアルと形態である。
各マテリアルにはそれぞれ固有の形態言語があり、他のマテリアル特有の形態をとることはできない。何故なら形態は、マテリアルの使用方法と生産方法とから形作られるものであり、マテリアルとは不可分のものである。そして、この形態とマテリアルとの関係を故意に歪ませ造られるものは、偽ものである(イミテーション)。芸術とは、こうした偽ものとは関係がなく、純粋なものである(べきだ)。 S. 139
ロースは、このマテリアルと形態の関係を理由に、リングシュトラッセ沿いの建築群を批判する。
被覆の原則
被覆の原則とは、マテリアルに手を加えることによって、イミテーションになることを防ぐことである。このイミテーションは、ただ一つの行為によって行われる、つまり、木の表面を、木の色で塗ること、鉄の表面を、同じ金属である銅色で塗ること。 S.143
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