日本は暑かった。
城をたくさん見た。興国寺城跡。小田原城。大阪城。名古屋城。
それらを見ることによって、ドイツの城をより鮮明に比較対照できるかもしれないと思ったから。
ドイツの城というよりも、ドイツの城郭都市をより鮮明に理解できるかもしれない、と思ったから。
「進撃の巨人」も最新巻まで読んできた。
日本の城は、しかし、あまりにも抽象的というか、都市的コンテキストから切り離されて存在している、ように見えた。
小田原城とか、大阪城とか、城を訪問しただけでは惣構えの実態がまったくわからない。
ドイツの城郭都市でそんなことはあっただろうか?むしろ惣構がはっきりしていて、城的部分のほうが目立たない。
逆に興国寺城跡は自然の中に埋もれている感じであり、しかし土塁の構造が明確なので、面白かった。天主の裏側の空堀や土塁は草に覆われ、空堀の向こうに畑が広がっていた。つわものどもが夢のあとに茂れる夏草。そしてそこは昆虫王国。巨大バッタを天主跡の高台から眼下へ飛ばしたこと。蝶が舞い、玉虫が現れたこと。木立にはクワガタ。
この夏のあの場所は、しかし、戦国の世が始まりを告げてからおおよそ500年後のことだったのだ。
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