2018年9月8日土曜日

お城の曲輪

お城の曲輪について書こうと思って、困っている。写真でも載せようと思って、アルバムを見てみたが、あまりにも曲輪周辺が面白くなかったのか、写真がない。
今、思い出してみると、各スポットに説明の立て札がたっていたが、しかし、その場所がお城全体の中でどのような機能をもっていたのか、という全体を俯瞰できるような説明はなかった。
城では、本丸から序列的に二の曲輪、三の曲輪などに連なっており、各場所ごとに意味がある。俯瞰的にみることができないと、城の構造を全体的に捉えることができなくなり、それらが頭のなかで総合的にむすびつけられることなく、断片の記憶の寄せ集めになるため、城そのものの醍醐味が薄れてしまう。
付け加えて言えば、城は単体であるものでもない。山城などとネットワークを形成している。今回、日本を訪れて感じたのは、この城のネットワークが、城のある地域でまったく組織化されていないなぁ、ということだった。もっと、各地域によって城を管理するような組織を結成し、その組織を通じて観光化させれば城自体も美しく保たれるし、観光する側としても理解がしやすくなるのではないだろうか。例えば、ドイツのバイエルン地方では城を管理する部署が行政の一機関として機能していて、城の保存状態もよくオウディオガイドなども充実していて、城の醍醐味を体感することができる。オウディオガイドなんて入館料の中にも含まれているし、それを通じて歴史やそこで起こった出来事なんかも詳細に知ることができる。
もっといえば、数年前に比べて、ずいぶんアジアからの観光客が多いということに気づいた。彼らにしてみれば日本の歴史なんて外国の歴史だから、よっぽど興味がないと事前に学習しているなんてことはないだろう。だからこそ、せめて中国語と韓国語でのオウディオガイドぐらいはどこに行ってもあるぐらいの努力をして、アジアからの観光客に対するサービスをより充実させて欲しい。そうすればよりリピーターは増えるだろう。そんなこと、いまさら自分が言わなくてもわかっていらっしゃるだろうから、より日本を理解してもらうための最低限のサービス、各国言語(特にアジア圏)のオーディオガイドは完備して欲しいと思った。

ずいぶん横道に逸れたが、曲輪である。多くの城で、この部分がただの空き地としてあった。こういった空き地を、定期的に演奏会やフェスティバルの会場として使ったら面白いんじゃないのか、と思う。

あと、小田原城や大阪城の惣構。ドイツ城壁都市が大好きな自分としては、惣構についてもっと知りたかったし、できれば見たい気持ちもあった。小田原城などではその気になれば惣構跡は多く残っているのでその気になれば見学することもできるのだろう。しかし、現地でそういった都市を囲繞した構造物の見学案内のようなものを目にすることはなかった。例えば、ニュルンベルクである。この街はまだ都市壁が残っているし比較の対象にはならないが、あえて言わせていただければ、ニュルンベルクでは都市壁だけを巡ることができるガイドブックを購入することができる。残念ながら日本語版はないが、進撃の巨人でも描かれたりする、都市を囲繞する構造物の存在、それが日本にも存在したのだから、それをもうちょっと観光化するか、少なくともガイドブックとしてまとめてもらえると、歴史ある都市の様子をよりビジュアル化できて面白くなると思う。

お城でおもしろかったのは、何と言っても天守閣の展示だ。特に小田原城は展示内容も現代的で見ごたえがあった。あんなに面白い展示はドイツでも見ることができない。今まで僕がめぐった諸都市と比較しても、トップレベルの展示内容だろう。息子も小田原城は面白かったと言っていた。
結論として、本丸の展示だけでなく、その周辺も観光資材として活用するべきではないのか、というのが僕が日本の城を幾つか見て感じたことだった。中心だけがぎっしり詰まっていて周辺がすっからかんな、この感じ。どこか日本的だな、と思えるが、いかがなものか。

そういえば、息子は小田原城で金属製の手裏剣をお土産として買った。相当気に入っていて、ことあるごとに見せびらかしていた。おかげで飛行機の中に手荷物として持ち込もうとしてしまい、搭乗手続きの際に没収されてしまった。みなさん、手裏剣は一様、忍者の武器なので、いくらお土産とはいえ手荷物として飛行機に持ち込むことはできないのでお忘れなく。

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