2011年9月24日土曜日

コープヒメルブラウ

Gasometerを紹介したので、ここで一気に見てきたコープヒメルブラウを紹介しようと思う。
まずはじめに郊外北部に建つ、高層集合住宅、オフィスビルのコンプレックス。
高層住宅、オフィスコンプレックス ×2
ツインタワー。左側のタワーは下部がオフィスになっていて上部が集合住宅。右側はよくわからないがどうやら集合住宅になっているようだ。
運よく左側のビルのオフィスで働いている人に内部を見せてもらえることになった。
こっちのビル。なので住宅はみることができなかったが、外から見るに住宅南側は前面ガラス。眺めはいいだろうが窓の下に壁がないとちょっと怖くないか?というか落ち着かなくない?日中はカーテンを引いていないといけないし、熱効率という意味でもどうなんだろう、いくらガラスの性能が上がったとはいえ、所詮壁には敵わんのだよ。。。
この日は週末だったこともありレセプションには誰もいない。案内してくれた人は、郵便物を取りに来ただけらしく、ざっと内部を案内してくれたあと、すぐに帰宅していた。
エキスパンションパネルの塔屋。エキスパンションパネルはしかし、こちら側の建物ではなくて隣に建つ他方の住宅ビルに多用されていて、そちらのほうにどちらかというとシンパシーを覚える。
もう一方の建物見上げ、こんな感じ。こうやって見ると、コープヒメルブラウって、窓とかの造形に凝るというよりも、ファサードを構成する面を操作することによってダイナミズムを生み出しているように見える。例えば、上部写真はビルを見上げているんだけど、右側に注目。エキスパンションメタルのパネルが上部まで延びているが、その面の中にはテラスや色々な大きさの窓等、異なるエレメントがあるんだけど、それをエキスパンションメタルで纏め上げている。
このような面によるファサードの構成は、次に紹介するSEG集合住宅でより顕著にみることができる。
SEG集合住宅
SEGという会社、これは住宅供給公社かなにか?、がプロデュースしている集合住宅。そのうちの一つをコープヒメルブラウが設計している。
この会社は、その他にもザハ・ハディドにも計画させていて、その写真は後ほどまた紹介したいと思う。
交差点からの眺め。窓は普通に四角いものが並ぶ。そしてなんといっても特徴的なのがファサードの平面分割、凹凸。一度飛び出したかと思えば引っ込み、それらの生み出す建物の輪郭には陰影が生まれる。そして高く持ち上げられたピロティー。コープヒメルブラウの建築言語をなんとなく理解。
中庭へと通じるピロティー。構造体と縦のスリット状開口の奥に、内部へ誘うような曲面。構造的に有効なのかよくわからない柱。ガゾメーターでもあったなぁ、こういう柱。
 
中庭。円錐、テラス、など、外側よりこっちの中庭空間のほうが豊穣だなぁ。一本渡り廊下が通っているけど、これは多分あんまり使われていない。
 
中庭一階部分。造形的。
トップライト群。かっこいい。
ところがどっこい、ここは中間階にある共同テラス。薄暗く、使われている痕跡もない。
こういう部分が結構ある。例えば上層階の共同通路。ある階は明るいが、ある階はまったく光が入ってこなく、昼でも真っ暗。たぶん造形的に追求したけっか、そういったコントロール不能な部分が発生してしまう。造形に重点を置くというのは本当に諸刃の剣だな、と痛感する。
たぶん、このビルを計画していたときにも、設計チームは意図的にこういった点について言及せずにプレゼンしていたんだろうなぁ。そして、こういった計画に批判的な人が指摘する部分もこういった点だろうなぁ。

上部写真は、向かいに建つ集合住宅。こういったランダムなファサードは、自分もそういうことをする傾向にありがちなのでシンパシーは覚えるが、ガチャガチャすぎるとも思う。差異性を生み出すという点では、それなりに効果はあるだろう。
造形の生み出すパワーに圧倒されたが、その影にあるネガティブな側面、つまりコントロールされていない側面も鼻につく。一方、造形のない建築物でも、人間とのコンタクトに重点を置けば、まったく異なる側面で建築としてのクオリティーは飛躍的に向上するだろう。そう考えると、そこまでして造形にこだわる理由というのはどこにあるのか、わからなくなってくる。コストもかかるだろうし。
個人的には造形力のある建築物のが好きだ。でも、コープヒメルブラウの建築には何かしら受け入れがたいものがある。今回見に行ったザハの建築もそうだった。造形のある建築で、それでいてヒューマンインターフェースにも配慮している建築家としてポルザンパルクが思い出される。最近彼の動向を聞かないが、もう一度、彼の建築を読み込んでみよう。

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