

このSopronという街、Hagenberg氏がとても綺麗な街なんだよ、といっていた通り、とても印象に残る街だった。
Sopronは、ハンガリーのオーストリアへの国境近くにある都市で、Raidingから車で30分位のところにある。
街に着いたのは夜の9時。中央ターミナルと思われる広場に車を駐車しして散策へ出かけた。人はいることはいるのだけど、少ない。しばらく環状道路沿いに歩いて旧市街の中へ足を踏み入れると、ひっそりとした雰囲気に包まれ人の気配が消えてしまう。黄色い街灯が街路を照らし、石畳の街路、狭い壁に挟まれた街路空間には、僕たち3人しか存在していないのだった。
建物を観察するに、二階部分から上部は住居になっているようだ。しかし就寝前の団欒を楽しんでいるような窓からの光はほぼ皆無。人はひょっとして住んでいないのではないか、とも考えたんだけど、幾つかの窓は開け放たれている。
おまけに異常に階高が低い。見たこともないような窓を縁取る装飾。扉は馬車用の扉に人用の扉が小さく取り付いて二重アーチになっていて、この意匠はあらゆるところに採用されていて、街路に統一感を与えている。
しばらく歩くと噴水のある広場に出た。広場の一角を占めるのは何故かユーゲントシュティル的ファサードを持つ街のオペラハウス。噴水の周りにはさすがに人が沢山腰掛けているのだけれど彼らはお互いにほとんど会話していない。広場の噴水だけがリストにちなんだ音楽に合わせてピュッピュと飛び交っていて、無言の人々が妙に神秘的な雰囲気を漂わせていた。
その後、日本の原子力発電事故に付随する電力消費量を抑えるにはどうしたらいいか、という話が出たときに、僕と、僕と一緒に旅行した友人のライアンは、この街のように夜は静かに窓を開けて早めに就寝する生活モデルを提案するべきだと半ば本気で話し合い、それをソプランモデルと名づけることにした。
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